横浜市では市立小・中・特別支援学校の500校全てに4年間かけて学校司書を配置した。
画期的なことである。
しかし、平成29年度が始まって間もない5月に学校司書20名の追加募集をしていた。(現在は募集していません)
4月から新年度が始まったばかりなのに、どういうことなのだ。
急な退職者がでたのだろうか。それとも、応募者が少なく配置できなかったのだろうか。
教育委員会HPより
「学校司書採用候補者を追加募集」
採用候補者? これは選挙か! 教育委員会チョッと変。
確かに応募者の中には採用候補者もいるけれど不採用候補者も混じる。普通に学校司書追加募集ではダメなの。
それとも、わざわざ「採用候補者」と書くのは、即採用ではなく欠員が出たときの予備ということかもしれない。それならそう書けばいいのに。
いずれにしても教育委員会は変だ。少なくとも一般的な言いまわしではない。
恋人募集中ではなくて、恋人採用候補者募集中だもの。
では、学校司書採用候補者募集概要の中で気になる個所を抜き書きする。
「求める人材」「主な業務内容」の中身は専門職そのもの。それなのに司書資格は必要なし。
世間に司書資格保有者はいっぱいいるのにと思うけれど、この待遇では「司書資格は不必要」でしか募集できないだろうな。
業務は「司書教諭の補助」というけれど、クラス担任兼任の司書教諭は担任業務で手一杯。だから実態は司書教諭が学校司書の補助をすることもあるという程度だ。
月収に換算すると月13万円ほど。そこから社会保険料、所得税が差し引かれ、交通費は支給されない。
しかも「※勤務地の指定はできません」と断りがあり、自宅のある学区の学校には勤務させないので、遠距離自転車通勤もしくは交通費自腹で通勤している。また、数回実施する司書研修の交通費も出ない。(後日追記:その後研修の交通費は出るようになったそうです)
さらに契約期間は1年。基準は明記しないで「勤務成績などが良好な場合には更新することがある」と、予防線を張っている。
そう言えば、知り合いの学校司書も辞めたそうだ。
その方から聞いたわけではないし近所の小学校ではないが、人間関係に悩むとか学校行事に参加を求められるということも聞こえてくる。
人間関係は別にして、元々、学校司書は土日祝日は休日。それなのに運動会(土曜日開催)での役割を任命されたり、校外活動への同行を求められることもある(交通費は自己負担)。また懇親会への誘いを受けるとも聞く。
契約時間外に誘って、事故でも起きたらどうするつもりなのだろう。
少なくとも学校司書になろうという人は子供が好きで本が好きという方だろう。その、やる気や熱意に甘えるようなことはあってはならない。甘えになるとは思っていないかもしれないが。
学校司書を教員仲間と思ってくれているといえば聞こえは良いが、雇用条件を理解していない仲間意識は迷惑な場合が多い。
忖度するに「私は交通費の出ない、時給1100円の非常勤特別職 職員=パートなのだ」というのが、多くの学校司書の本音だろう。浮かんでくるのがブラックに近いグレーな職場。
あくまでも、学校司書は、図書館業務担当の時給1100円の非常勤事務員であることを教師が明確に意識していないと、不定期の追加募集は続くことになると思う。
差別しろというのではなく、先生と同じようなグレーな勤務状態に引きずり込んではいけないということです。
学校司書の雇用は一年契約で更新は4回まで。さらに雇用を希望する場合は受験し、再度合格する必要があるそうだ。
そんな話をしていたら「更新するにしても、作文が苦手で面倒なのです」という。
オジサンは「前に合格した時の作文は自分で保存しているでしょ。それを出せばOKだよ。前の作文など誰も覚えていないよ」と、お気楽なアドバイスをしておきました。
なあに、これも「学校司書採用候補者」を増やすためですよ。
後日更新ぺージ:学校司書の
勤務条件が変わりました