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4-175) 権太楼独演会 らくだ、黄金の大黒+やぶいり

柳家権太楼独演会 IN にぎわい座。
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開口一番は「出来心」演ずるのは寿伴(じゅばん)。彼の師匠は権太楼の兄弟弟子柳家三壽。存じ上げない。

柳家さん光は「幽霊の辻」大騒ぎしているだけ。まだまだ。

続いて柳家権太楼、待ってました。
まくらの前に断りを入れる。
「らくだ」を最後までやるつもりで、もう一つは短めの「黄金の大黒」にしたけれど私の大黒は短いのよ。本当に短いからもう一つ「やぶいり」をやります。(大拍手)
「やぶいり」は初ネタ。これまでやったことが無く一年前から覚えはじめて、完成するのはあと半年くらいかかるが、今日、やらせてもらいます。(大拍手)お帰りは5時を過ぎると思います。(大拍手)
らくだ
長屋の鼻つまみ者、らくだが死んだのにかこつけ、乱暴者の兄貴分が通夜を仕切って幾らかせしめようという魂胆。通りかかった屑屋をこき使い、死人を担がせカンカンノウを踊らせて大家から酒、長屋から香典、菜漬屋から棺桶代わりの樽をせしめる。
無理やり飲まされた酒で屑屋がだんだん酒乱に変じ、立場が逆転していく様が面白い。権太楼の演ずる酒飲みは上手いなあ。

オチは間違えられた酔っぱらいの願人坊主が焼き場で目を覚まし
「アツツツ、ここはどこだ」
「ここは火屋(ひや)だ」
「冷酒(ひや)でいいから、もう一杯くれ」

ここまで聞いたのは初めてだと、Chiも大喜び。確かに長い噺だ。


中入りのあと、「黄金の大黒
黄金の大黒を掘り当てた大家の祝いの御呼ばれに行く長屋の面々。羽織が無いやら口上を知らないやらで例によっての大騒ぎ。宴会場面の前でオチを付けて、確かに短いや。

空缶三線の岡大介。
昭和歌謡が客層とぴったり合って大盛り上がり。

続いて、権太楼師匠三度目の登場。
約束通り「やぶいり
若いお客さんに通じないネタは演じなくなるし廃れていく。「へっつい幽霊」 なんていうのは全くわからないし「野ざらし」も今日やる「やぶいり」もだんだん通じなくなっている。
藪入りというのは、奉公に出された小学一、二年の子供が三年間・・・、鼠の懸賞というのは・・・。
と、丁寧なまくらを振ってから「藪入りや曇れる母の鏡かな」と語り始めた。

親父の熊五郎がソワソワ待っている場面で、もう、いけない。ウルウルしてしまう。
大笑いするのだけれど、涙が滲んでどうしようもない。

権太楼師匠、初ネタと言ったがどうしてどうして。






※幽霊の辻(Wikipedia)

預かった手紙を「堀越村」に届けるために歩いている男は、道に迷って、見知らぬ峠に入り込んでしまう。日が暮れかかり、急に心細くなった男は茶店を見つけ、顔を出した老婆に堀越村までの道のりを尋ねる。

道を説明する老婆が言及する地名や道しるべは、「水子池」「獄門地蔵」「父追橋(てておいばし)」といった、不吉なものばかり。男が思わず由来を尋ねるたびに、老婆は人の死にまつわるそれらの由来を恐ろしげに語って聞かせ、「池の横を通るたびに赤ん坊の泣き声がし、人を引きずり込む」「地蔵の首が飛びまわって人に噛みつく」などと、それぞれの場所で怪奇現象が起こることを男に教え、ちょうちんを貸す。

男は池を半狂乱になりながら通過するが、結局声などしなかった。地蔵の首も飛ばず、橋でも何も起こらなかった。男はそれでも恐怖感がおさまらず、たまらず駆け出すと、峠の交差路「幽霊の辻」の「首くくりの松」の陰から飛び出してきた若い娘と鉢合わせになり、思わず叫び声をあげ、失神しそうになる。

「何を怖がっておられるのですか」「てっきり幽霊かと思ったじゃないか」「私を幽霊じゃないと思っているの?」

娘の姿が、スッと消えた。


3代目柳家権太楼は、上記の展開のあとに「お客さん、お化け屋敷の出口はあちらですよ」と言う係員を登場させ、実はお化け屋敷が舞台であった、というサゲにしている。


by ikuohasegawa | 2017-07-17 04:34 | 待ってました!権太楼師匠 | Comments(2)
Commented by saheizi-inokori at 2017-07-17 09:44
「らくだ」は最後まで聴くと世界が変化しますね。
学校の道徳に「藪入り」でも聴かせたい。
Commented by ikuohasegawa at 2017-07-17 16:30
Saheiziさん
同感です。教育勅語を持ち出すより落語を聴かせる方が徳育になります。
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