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4-197) 男にはわからない避難所(防災拠点)の運営

防災拠点(横浜市では避難所をこう呼ぶ)の運営にかかわって10年になる。
このところ「女性の目線から見た防災拠点」「防災拠点の弱者に対する留意点」を気にしている。

そんな中、書店で目についたのが「女たちの避難所」
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東北大震災で九死に一生を得た福子は津波から助けた少年と避難所生活を開始する。
震災で夫を失い乳飲み子を抱えた遠乃は舅や義兄と避難所で暮らし始める。
息子とはぐれたシングルマザーの渚は避難所で福子が助けた一人息子と再会する。

こうして少しずつ“絆”を取り戻し始めたかに見えた避難所は、自薦のリーダーの一存で“絆”を盾に段ボールの仕切りも使わせない監視社会。
若く美しい遠乃は好奇の目の中、授乳もままならない。
役所は避難住民の自主自治を盾に知らぬ顔。

やがて虐げられた女たちは静かに怒り、福子を新リーダーに選び立ち上がる。

東北大震災の避難所を舞台に、3人の女性の視点から、避難所生活の問題点を描いている。
しかも、その問題点は表ざたになっていなかっただけで、実は元々の日々の生活の中に在った。それが避難所生活で噴出した。正すべきは社会や我々の持つ偏見や因習であると著者は主張する。

避難所運営で社会改革ができるとは思えないし、その偏見や因習をどこまで排除できるかわからない。

しかし、避難所運営に関わる者として、女性に突き刺さる男の好奇の視線、男と女で異なるプライバシー意識、女性はそこが許せないなど、女性目線で語られた避難所生活の問題点がわかった。

男にはわからないことがあるのだ。


御代田町の竜神公園を通りかかって気がついた。
準備している祭の仮設トイレが進化している。
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仮設トイレを置くだけでなく出入りする姿を見えなくする囲いをつけている。
これだよこれ。男はここまで気が回らない。
男の視線を避ける女性目線の処置。

車で通りかかってこれに気がついたということは、私の目線が少しだけユニバーサルになっているのかもしれない。

内閣府チェックシート も大いに参考になる。

男にはわからないことがあるのだから、女性の方も避難所(防災拠点)運営委員として継続的に参加して頂きたいものだ。










by ikuohasegawa | 2017-08-08 04:15 | 地域・団地 | Comments(6)
Commented by saheizi-inokori at 2017-08-08 07:58
男でもトイレに入る姿は見られたくないですね。
そんなこと言ってる場合か、と叱られそうな、その空気が思いがけないストレスになり、どこかで爆発する。
たしかに日常から見直すべきかもしれないです。
Commented by ikuohasegawa at 2017-08-08 17:17
Saheiziさん
自信持てず書きませんでしたが、避難所には世間と同じ割合で「色々な人」が混じるということもあります。
Commented by 広島の郁夫です at 2017-08-08 17:25 x
乳母車でエレベータに乗るお母さんや交通機関で入り口出口を急ぐ人の動きで、しばしばひと声ほしいと思わされます。
自分が避難するときに情勢や子供、老人にどのように接してしまうのか事前学習が必要かもしれません。
Commented by ikuohasegawa at 2017-08-08 19:55
広島の郁夫さん
勇気がなくて一声かけられない自分を情けなく思うことがあります。
Commented by nicoru1nicoru2 at 2017-08-08 21:33
この稿で申し上げるコメントではありませんが、今夕のNHKのニュースで「台風5号」が長寿だという表現に違和感を感じました。
「長寿」ってなんとなくおめでたい雰囲気があります。
Commented by ikuohasegawa at 2017-08-09 04:51
古武士ヒロくん
ほんとほんと。思わず辞書をひいてしまいました。
「寿」からくるのでしょうけれど、めでたいことに使うイメージがあります。
不人気の安倍政権も長寿ですし、下劣な長寿番組もありますね。
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