本の修理技法書『美篶堂とはじめる本の修理と仕立て直し』がセンスが良いのはデザインの力もあるが、修理の作例の本が『Animals』など洋書の古絵本であることも大きいと思う。
倣って洋書絵本10冊を落札したことは報告したが、洋物カブレという訳ではない。
ちゃんと日本の古絵本も所有しております。
もう一冊「ちいさなお家」もあったのですが見当たりません。
全部、岩波の絵本。
「アルプスのきょうだい」は定価200円。「みんなの世界」「やまのたけちゃん」「やまのこどもたち」は180円。
昭和40年代の日付と東京堂、弘栄堂、大盛堂の購入書店名を巻末に記しておりました。
子供の頃に繰り返し読んだ絵本を成人してから購入したのです。
その懐かしさと嵩張らない薄さが幸いし、数年前の蔵書処分の嵐をくぐり抜け我が家の書棚に居りました。
指折り数えてみると50年前の絵本なので風格?を感じます。
版を重ねている本もあるようです。
これも、表紙角は角革装のように修理し背を布装にして、ドイツ装※のように元の表紙を継げば雰囲気を残して修理できます。
※ドイツ装は表紙とウラ表紙を厚紙で作り、別に作った背に貼って一体化するという製本なので、元の絵本の表紙を使うこともできる。
といっても壊れてはいませんので、修理体裁の絵本に仕立て直すだけです。