ハヤカワポケットミステリーを修理する。
本文全体を「包み表紙」表紙から外す。
元の接着剤の上にボンドを重ねても接着効果は期待できないから、普通なら元の固化した接着剤を苦労して剥がす。ところがこの冊は楽々板状に剥がせた。まるでプラスチックの板。
露出した背には切れ目が入れてあったが浅い。
剥がした板状接着剤にそれと対になる筋も見てとれる。
この程度では本文の単票はまとめきれぬ。接着剤そのものは強固でも接着力は限定的だったと言わざるをえない。
強固に接着するための手順は、
本文用紙を揃えズレを防ぐ帯を掛けて固定板ではさみ、荒目のヤスリで背を荒らす。
荒目のヤスリを使うことで紙に凹凸が出来、新しく塗るボンドの付きが良くなる。
さらにのこぎりで深め(3‐4mm)に目引きをする。
糸を渡して接着し、背全体もボンドで固める。
つづく。