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4-448) 字典の函を修理する 冨山房・詳解漢和中字典

過去に自社が出版した「詳解漢和中字典」を後輩君が入手した。

Amazonで1円(送料別)だった由。
1円という低評価から救出したのだから偉い。愛社精神である。

壊れている函を修理したいと申し出があったので、ここでアドバイスします。

まず、添付されてきた「詳解漢和中字典」の函の写真。
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しかし私は本の修理はするけれど函の修理をしたことが無い。
図書館は本の函をほとんど廃棄するからね。

自分の広辞苑の函だって壊れたままで使っている。
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これを修理するとすれば、剥離している層の全てに筆先に付けたボンドを塗り、固める。

試しにやってみました。
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和紙テープを使う場合でも剥離している層をボンドで固めその上に和紙テープを貼ります。
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日焼けした函に和紙テープを貼ると、ご覧のように不自然に目立ちますから和紙テープは使わない方が良いと思います。


修理対象は「我が冨山房の詳解漢和中字典の函」ですから、実用修理ではなく象徴的?歴史的遺産?保全であろう。
ならば、ここまで使っていただいたことに感謝し、傷も歴史と今あるがままを受け入れ保存したらどうでしょう。
やっても剥離層をボンドで固めるとところまで。

その上で、函をグラシン紙や透明PPシートで、くるみ、これからの破損を防ぐ。
帙函を誂え収蔵するほどではあるまい。

貼った和紙テープを剥がすと劣化した函の層が剥がれるので、このまま先に進めます。
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函の小口に折り込みます


グラシン紙は硫酸紙、パラフィン紙とも言い高額古書などをくるんでいるあの半透明の用紙。ただし入手しにくいので私のように透明PP袋をカットしてくるめばよい。
広辞苑の函は側面を切り開いたA4透明PP袋でくるめました。


図示するとこういうことです。ピンクの線がPPシート。
d0092767_17181433.jpg

どうしても和紙テープを使いたいというのであれば差し上げます。

また、作り替えたいというのであれば現在の函を分解し、実物合わせで板紙をカットし自分で工作できます。
健闘を祈る。


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by ikuohasegawa | 2018-01-16 04:15 | 製本&修理:関連 | Comments(6)
Commented by ikemoto04lp at 2018-01-16 06:58
「図書館は本の函をほとんど廃棄するからね」

そうなんですか。
 箱カバーは、本を保護し、延命させる役割を果たしているはずなのにねえ。
 もっとも、あまり長持ちしたんでは、は氏の出番が少なくなる?
Commented by nicoru1nicoru2 at 2018-01-16 07:52
早速、寒稽古をつけていただき、ありがとうございます。

透明PP袋にはノリがついていないので、ブッカーでくるもうと愚考いたしますが如何でしょうか。
Commented by saheizi-inokori at 2018-01-16 09:30
「嘘八百」という骨董品を贋造する映画を見てきました。
どこかに通ずるところがあるなあ。
Commented by ikuohasegawa at 2018-01-16 16:49
サマースノーさん
本の函問題は別項にて。
Commented by ikuohasegawa at 2018-01-16 16:57
古武士ヒロくん
ブッカーをかけたことがあるならそれもありです。
あなた個人の貴重本ですし、函の内側ですからセロテープで貼っておけば充分だと思います。
社として保存するのならブッカーも貼ってはいけません。もっと美麗なものを探しそのまま保存すべきです。
Commented by ikuohasegawa at 2018-01-16 17:01
saheiziさん
「嘘八百」検索して見ました。
元に近づけようと努力するのは似ているかもしれません。
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