食べ物

4-637)丑の日 ひつまぶし

今年の土用の丑の日は20日。
丑の日に、私は鰻屋へは行きませんでした。
だって、皆さんが押し寄せて混むんだもの。

それはさておき、土用の丑の日を前に「和食さと」がチラシ広告を入れた。
この店、うな重うな丼ではなく「ひつまぶし膳」を前面に打ち出している。
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と、思ったら「ひつまむし膳」

大阪では───和食さとチェーンは大阪の会社だから───鰻を蛇のマムシになぞらえて「まむし」と言うから、「ひつまぶし」のことも、まぶし≒まむし で「ひつまむし」というのかい。
感じの悪い語呂合わせだこと。Chiも食べる気がおきないと申しております。

それでも、念のためWikipediaを開くと、私の誤解でした。
まむし:近畿地方では鰻丼のことを「まむし」と呼び、「真蒸」などの字が当てられることもある。
語源は鰻飯(まんめし)が訛ったとする説や、飯に鰻やタレをまぶした「まぶし」から転じたという説、鰻を飯の間に挟んで蒸らす意の「ままむし(飯蒸し)」もしくは「まむし(間蒸し)」に由来するなどの説がある。
丼鉢や重箱でなく飯櫃に盛り付けたもののことを、近畿ではひつまむし、中京地方ではひつまぶしと呼んでいる。

鰻とマムシの、似ている長物スタイルからの「まむし」ではありませんでした。


ところで「ひつまぶし」は、名古屋市熱田の蓬莱軒が元祖のようです。
では、「ひつまぶし」をおさらいしておきます。
蒲焼を切り分けた上で、お櫃などに入れたご飯に乗せ(まぶし)たものを、茶碗などに取り分けて食べるのが基本的なスタイルであり、これが料理名の由来(異説もある)となっている。
そのまま通常の鰻飯で食べるほか、ワサビや刻み海苔・刻みネギなどの薬味、出汁やお茶などを鰻飯に掛け茶漬けにすることにより、味の変化を楽しみながら食べることができる。 というのが謳い文句。

数年前、友人グループ7名で、その蓬莱軒ではなくもう一方の鰻の老舗で昼食をとったことがあります。その時、6名は「名物、名物」「ひつまぶし、ひつまぶし」と、ひつまぶしを。
私は鰻丼を頼みました。偏屈者ですから刻んで要らない。まぶさない。茶漬けにしない。味の変化は山椒に限る。最後まで鰻丼で食べたい。

「お待たせしました」と届いたのは私の鰻丼と大きい御櫃。
6名は大御櫃で鰻をまぶし、茶碗に取り分けねばならぬ。
「六人一緒かよ」「一人用の御櫃が普通だろう」「仲居はいないのか」
面倒な上、強欲にならならぬよう少なめに取り分けたりと、まるで三杯目の居候状態。

食べた後も「名物ってこんなものよ」「鰻丼正解」の声が出た。
私は、やっぱり蒲焼は関東風が良いと思っただけで普通に頂きました。専用鰻丼でしたから。


この稿「ひまつぶし」くらいにはなったでしょうか。




名古屋市熱田の蓬莱軒が「ひつまぶし」の商標登録しているようです。ただし、他の店で「ひつまぶし」を提供しても商標権の侵害にはならない。食品「商品」を対象とした商標権だから、サービスは蓬莱軒の商標権の対象に含まれない。と。

栄光綜合法律事務所綜合HPによる詳細
「ひつまぶし」は一般化した鰻の食べ方であるようにも思えますが、じつは名古屋市熱田区の蓬莱軒という鰻料理店が「ひつまぶし」の商標登録をしています。「ひつまぶし」を扱うお店は蓬莱軒以外にもたくさんあります。

それでは、これらのお店は蓬莱軒の商標権を侵害していることになるのでしょうか?
すくなくとも、店内で食べてもらうために「ひつまぶし」と称する鰻料理をお客さんに提供しても、それは商標権侵害にはなりません。

蓬莱軒の商標登録が飲食物の提供という「サービス」(役務)を対象とするものではなく、食用水産物などの「商品」を対象としているためです。
商標法における「商品」とは、取引対象として市場での流通性を有するものでなければならないとされています。そして、店内で消費されるために提供される飲食物は市場での流通性を欠くため「商品」にあたらないと解釈されています。

鰻屋の店内で食べる鰻料理は「商品」にあたらないこととなり、蓬莱軒のひつまぶし商標の射程圏外とされます。だから侵害にはあたりません。

Commented by ikemoto04lp at 2018-07-24 08:58
この間、名古屋で食べた「ひつまぶし」より、「和食さと」の「ひつまむし」の方がおいしそうに見えるなあ。

「蓬莱軒」も有名店ですが、御園座の1階に「うな富士」から暖簾分けした「おか富士」がオープンしており、大変な人気を集めていましたね。
Commented by ikuohasegawa at 2018-07-24 09:41
サマースノーさん
そうでしたね。
本場でひつまぶしをお召し上がりでしたね。奥方だったっけ。
Commented by 広島の郁夫です at 2018-07-24 10:08 x
熱田神宮に参った時に参道の先へ「ひつまぶし」の店があったのですがあまりの人に諦めました。「ひまつぶし」とすぐに読んでしまうので食べられなかったのかもしれません。
Commented by ikuohasegawa at 2018-07-25 03:52
広島の郁夫さん
そこが蓬莱軒ですね。
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by ikuohasegawa | 2018-07-24 05:20 | 食べ物 | Comments(4)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa