製本&修理:関連

4-874) 断裁機の刃を取り付ける

ハサミや事務用ペーパーカッターの刃は触っても指が切れるほど鋭くありません。

それらは、刃と刃が交差する点にハサミを閉じる力がピンポイントで集中し、なおかつそのポイントが移動していくことで対象を切っています。
要は2つの刃先がいかに密着しながら擦り合うかという構造精度が重要で、刃の鋭さは二の次なのです。それゆえ児童用ハサミもあるのです。

一方、断裁機は一枚刃を垂直に下ろし真っ二つにします。
ハサミが点で切り分けていくのに対し断裁機は線で一刀両断ですから、刃は鋭くないと切れません。


磯子図書館の断裁機の刃が研ぎ上がって戻ってきました。
4-874) 断裁機の刃を取り付ける_d0092767_17270688.jpg
「刃が来ました」という連絡も無く、断裁機の横に普通に置いてあります。
置いておくと修理ボランティアの人が取り付けてくれる。という自然の流れができています。
長年のうちにそういうことになっていますし、図書館も私も異存はありませんから担当いたしました。

毎年のこととは言え緊張します。

研ぎ上がったばかりの刃は鋭さを増している。触れれば確実に怪我をします。重いので扱いづらく思う以上に動いてしまうので、革の作業手袋ごと斬られるのではないかと冷や冷やします。

慎重に取り付け試し切り。
水平調整して試し切りを数回繰り返してOK。
4-874) 断裁機の刃を取り付ける_d0092767_17320008.jpg
じっくり見たら断裁機の刃の降り方は垂直ではありませんでした。
刃の水平を保ちながらカットライン上をわずかにずれながら(斜めに)降りています。

包丁を使う時、押し切るのではなく『手前に引いたり、奥に押したり、前後に動かすときに切れる』というのと同じ原理です。

Commented by nicoru1nicoru2 at 2019-03-16 04:48
粛々と物事は進行していく。

刃を研ぎに出してから、先輩のブログでの報告までが、ルーチン化されているわけですね。
Commented by 広島の郁夫です at 2019-03-16 11:25 x
包丁も研ぐと下手でも刃先の食い込みを爪で感じます。ラーメン店の紹介で昆布は押切で切っていました。装着作業が美辞に終わり祝着です。
Commented by ikuohasegawa at 2019-03-16 17:08
古武士ヒロくん
ルーチンというほどではありませんが、年一回、この時期になると普通に取り付けております。
Commented by ikuohasegawa at 2019-03-16 17:10
広島の郁夫さん
ほー、昆布は押切ですか。
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by ikuohasegawa | 2019-03-16 04:00 | 製本&修理:関連 | Comments(4)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa