繰り言 (くりごと)

359) 足向けて寝られない

自費出版の大手、新風社が倒産した。報道によると1000名の出版契約者から10億円を集め未出版になっているようだ。1000名で10億円ということは1名100万円。
100万円出して自分の原稿が本になり書店に並べばベストセラーになる可能性もそりゃーゼロではない。それを夢見るのでしょうかね。
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まとまった額の退職金を手にした世代がメインターゲット。私もそのターゲットの一人。興味を持ち惹かれるけど、私は身の程を知っているから手を出さない。

その点ブログは有り難い。無料で書けて活字になって何十人かの人に読んでもらえる。それを励みにまた書き散らす。ありがたい事です。

皆さんには足向けて寝られない。
今は読者のいない海の方へ足を曲げて寝ています。

ハイ。     感謝しています。



自費出版あれこれ

手口はドコも似たようなもので、まず原稿のコンクール。当選作は出版社が出版するがオトリ。落選した作者が商売の種になる。
『あなたの作品は惜しくも落選したが、原稿は非常におもしろい。世に出せないのが残念だ。少しご負担いただけば出版して書店に並べたい・・・』というようなことで契約を結ぶようだ。

考えてみればすぐ分かる。
売れるおもしろい本が書ける人はプロでも極めて稀だ。自分の書き散らしたものがその稀な作品かも知れないと思うところに間違いの始まりがある。百歩譲って営業マンが言葉巧みだったとしても「だまされた」というだけではすまない。

自惚れるのもいい加減にしなさい。と、言う事だ。そんな本を書店が並べてくれるわけが無い。自費出版コーナーのある書店も有るが、書店にはコーナー維持代金が渡っている。そうでなきゃおかしいその本屋は。売れない本のコーナーを作るのだから。

だいたい、素人が小説・エッセイ・評論を書いても面白い事はほとんどない。まして自叙伝とか自分史なんて面白いと思うのは本人だけ。家族だって家族でなけりゃ読まない。面白いだろうって聞けば家族だから『面白い』と甘やかしてくれるが。

あの時が人生のターニングポイントだった。運命の分かれ道だった。と自分は思っても、多くの普通の人のそれは、単なる四つ角で信号機が無いから躊躇した程度の事でしかない。皆が経験していることだ。それを面白く読ませる力はほとんどない。
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普通の、ものを書く趣味が高じた人は構成・デザイン・印刷代を支払って本を作ってもらい自分の知人に無料で配布するというのが普通の人だ。自費出版ではなく自費印刷。それを売ろうなんて思う人に聞いてみたい。

本を買って読むという行為を経験した事はあるのか。その行為から選択基準のカケラも学んでいないのか。その本を他人が書いていたら、あなたは買うかと。

日経新聞の連作『私の履歴書』だって、さほど面白くない。あれだって、多分日経新聞が料金を取っているかもしれないぞ。『一流人のステイタス・日経私の履歴書に載せませんか。代金は・・・・・。資料をいただければこちらでまとめます』なんてね。
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by ikuohasegawa | 2008-01-30 04:38 | 繰り言 (くりごと) | Comments(0)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa