製本&修理:スキル

629) 少量のボンドを出したい

586) きっとお役に立てると思います
本を開いた時のV字形の根元の奥を『ノド』と言う。本はこの『ノド』の奥を糊で固める事によって『背』という集まりとなり本が作られている。糊で固めているのだから乱暴に扱われると『ノド』が割れたりする。が、先ず第一次症状としては頁が抜け落ちてくる。この段階での修理としては抜け落ちた頁を接着するだけのことだが、ボンドを細く『ノド』の奥に流し込むのが厄介だ。
使いやすいボンドを紹介してもらった。PLUS製240円。口が極めて細いので『ノド』の奥に適量のボンドが出せる。その上ペンタイプで扱いやすい。

と喜んでいたがボンドはこれでも出すぎる。
この時のボンドの量は極力少ないことが望ましい。紙の厚みの分だけボンドを出すと言うのは言いすぎだが、そのくらいのつもりで注意深く作業を進めたい。ボンドが多過ぎると乾燥した後 、本を開いたVの字に ページがくっついた r (小文字のR)を重ねたような形で乾燥してしまう。これではページを繰るとき違和感がでる。
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思いついてドレッシングやソースを入れる容器を購入。100円ショップにあった。都合の良いことに細い口の先は穴がないまま販売している。好みの大きさの穴をあければ良い。
より細くが目的だからマチ針で突き極小の穴をあけボンドを入れる。マチ針はそのままフタになってもらう。
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過剰なボンドで修理すると修理箇所全体が一つに固まってしまい、しなやかさや柔軟性が無くなりゴツゴツした本になってしまう。おまけに再修理が難しくなる。ボンドは少ない量をもって上とす。
本の修理はボンドのお世話になることが多いが、総じてボンドを多く使いすぎていたことに気がついた。言ってみれば技術の無さをボンドでカバーしている様なものだった。

という訳で、今は応用容器に得意になっているが、果たしてボンドの使い勝手や如何に。




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by ikuohasegawa | 2008-11-19 05:23 | 製本&修理:スキル | Comments(0)

十や十五連休なんて目ではない。三百六十五連休が始まった私。


by ikuohasegawa