2018年 09月 04日 ( 1 )

4-679) 安楽病棟を読み終わりました

安楽病棟(帚木蓬生)をやっと読み終えた。

難解ではない。むしろ新任看護婦(執筆当時のママ)が、痴呆患者の多様性を延々と語る回顧録の体裁をとるから平易である。
平易な語り口調であるからこそ、痴呆患者の現実がリアリティをもって我が身に迫ってきて読みづらくなる。明日は我が身、というほどではないが読み飛ばすことができなかった。

物語前半は「痴呆病棟」への入院が決まった患者の人生を丁寧に語る。
読み進むと、当然のことだが、それぞれの人に自分の人生があり、どの人も様々な事情を抱えながら精一杯生きていることを認識させられる。

安楽死───ネタバレさせてしまいますがタイトルで想像がつきますから───を扱った作品でしたが、読んでいて救いになったのは、途中で新任看護婦が登場し彼女が誰に対してもそそいでいる、愛情に満ちたあたたかいまなざしを感ずることができたこと。

終章近くで彼女は疑問を抱く。

「八人が八人とも、誰からも疑念を持たれないまま亡くなりました。
 すべては先生の計画通りに行われたのです。
 ただひとつ、わたくしという存在を除いては、です。」


私の感想はともかく、彼女が病棟の生活のひとコマを語る部分のページが気になった。 
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「も」「玉」「3」の反転文字はどうやって作ったのだろう。

画像なら私でも反転することは出来る。
d0092767_17513375.png
今は鉛の活字ではなくコンピューター処理だから、画像と同様に文字も反転処理できるのだろうか。




by ikuohasegawa | 2018-09-04 04:15 | 重箱の隅をつつく | Comments(2)