2018年 09月 17日 ( 1 )

4-693) 磯子図書館本の修理 綴じ糸の切れていない図鑑

参加者はやや少なめ───私自身、夏休みで一ヶ月ぶりの参加だから大きなことはいえないが───でした。
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この日、最初に手がけたのは福音館書店の植物記。
糸綴じ製本なのに表紙は薄手の並製本というあまり目にしないタイプの図鑑。
そのため、この図鑑はせっかくの糸綴じ製本なのにノドまで完全に開かない。

まずはおさらい。
上製本は本文の背と表紙の背の間に隙間をつくり、本の開閉時には別個に動くようになっているからノド元まで開く。
ホーロ・バックと言われる。
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一方、並製本(文庫本や新書本などと同じ)は本文の背と背表紙接を接着し固定する。
ノド際まで開きにくいフレキシブルバック。
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この図鑑は綴じ糸が切れていれば綴じなおすことになる。

見返しを外して本文を取り出すと有り難いことに綴じ糸は切れていない。
しかし、背と本文を接着している接着剤は開閉に耐えられず割れて断片化している。
糸を切らぬよう接着剤(固)を取り除き、背を板で挟みボンドで固めることで弛みを戻す。
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接着剤をきれいに剥がした後の写真


次いで寒冷紗を貼って、クータを足し本文の背と表紙の背の間に隙間をつくる。
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背に戻して張り出している寒冷紗を、見返しで貼り押さえる。
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本文のノド際ラインに見返しを貼って修理完了。
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一応、ホーロ・バックに仕上がっています。

by ikuohasegawa | 2018-09-17 04:15 | 製本&修理:スキル | Comments(2)