2018年 10月 30日 ( 1 )

4-736) 背がパックリ割れた池波正太郎全書

池波正太郎全書の中でも束(つか)のある1冊を修理。
他は破損していませんが中ほどで割れています。
d0092767_18374113.jpg
修理方法は本文の背に切れ込みを入れ、タコ糸を渡して割れをつなぐことになります。そのためには本文の背を出さないと修理できません。

まず、かろうじてくっついている個所を切り離しました。
次いで、少し弛めだった表紙側の見返しをめくり外し寒冷紗を切って本文を外しました。
d0092767_18374401.jpg
もう一方の見返しと表紙は温存したままで修理をします。
こうすれば健常な一方を壊さなくて済みますし、修理箇所を少なくできます。


写真(下)は背を上にして固定した状態です。
左側に付いていた表紙と背を右(ウラ表紙)側にめくり起こしてあります。右側には手を付けていません。
表紙と本体をつないでいた左側の寒冷紗は切っていますから、戻すときに新たな寒冷紗を足します。
d0092767_18374740.jpg
この本の場合は丸背全幅ではなく、割れの左右各10mm程度に切れ込みを入れたい。
そのため半円形の台を置き固定し丸背を維持してあります。台にしたのは半分に切った紙筒(前にどなたかが何かのサヤにしていた芯)です。

ノコギリで背に切れ込みを入れます。
d0092767_18474630.jpg
写真を写し損ねましたが、この切り込みにボンドを入れタコ糸を埋め込みました。
表紙側の寒冷紗を切っているので、新たな寒冷紗を足し表紙を戻して貼りこみました。

しばらく置いて当該箇所をそっと──開かない方が良いのですが──開いてみた。
d0092767_18375721.jpg
ノド際にはタコ糸を入れた箇所が見えています。
d0092767_18395160.jpg
終了。



by ikuohasegawa | 2018-10-30 04:15 | 製本&修理:スキル | Comments(2)