カテゴリ:製本&修理:ツール( 132 )

4-759) 歪みを正して穴をあける 平綴じ治具 ②

平綴じ治具を使うと穴あけの位置決めが容易になる。
目打ちやドリルを垂直に維持しやすく、本の歪みを矯正して穴があけられる。

使い方は、歪んだ本の表紙を開いて本文のみを板で挟む。
小口側から押さえ一時的に正した状態で締め具で固定し穴をあけます。
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1号機はノブを回して締める方式をとった。
締めにくい蝶ナットをノブに替え、進化したと大いに自賛した。
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2号機には、締め付け具にクイックバークランプを採用した。
これによりノブをグルグルグルグル回転するのではなく、レバーを数回握るだけで締め付け固定できる。
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貫通しているボルトは1号機用に準備したボルトを転用しているだけで単なる棒です。ナットは使いません。
二枚の板の位置合わせとズレ止めの役割をはたしています。

これほど大仰(穴あけ・鉄棒)でなくてもよいので改良機を考える。

3号機のズレ止めは木片もしくは L字アングル。
強度的には L字アングルの方が安心できるだろう
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これに本文を挟みクイックバークランプで締める。

この度、終了した修理講座の最遠距離受講生(泉区の学校司書さん)の「かいけつゾロリを全冊平綴じしたい」という要望に応えるべく思案しております。
なんせ泉区・・・ほぼ藤沢です・・・から通って毎週受講したのですから。

ということで、3号機完成。
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なんだか1号、2号、3号と、号を追うごとに機械感、道具感が薄らいで・・・板2枚に近づいている。
操作回数を少なくしよう、工作を減らそうという意図での改良ですから当然といえば当然ですが。
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by ikuohasegawa | 2018-11-22 04:15 | 製本&修理:ツール | Comments(2)

4-758) 歪みを正して穴をあける 平綴じ治具 ①

自慢です。
私が開発した修理機材で、自分は勿論、利用する人が評価するものの一つが平綴じ治具。
児童書などの背割れやページ外れの修理もしくは、その予防処置のための治具である。
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この冶具を使うことで修理時間が短縮できる。
穴あけの位置決めが容易になった。
目打ちやドリルを垂直に維持しやすい。
本の歪みを矯正して穴があけられる。と評価が高い。

本が歪むのは以下の理由による。
書架のスペースに対して本が少ないとき、本来はブックスタンドを使うべきなのだが、本数冊を斜めに立てかけていることがある。あるいは全体が斜めになっていることもある。
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こういう状態を続けると長方形は平行四辺形になる。
さらに小口がフリーで背を接着してある本は、ねじれて歪むのである。
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平綴じをするときは、この歪みを正した状態で穴をあけねばならない。
表紙を開き本文のみを板で挟んで、小口側から押さえ一時的に正した状態で締めて固定し穴をあけます。
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平綴じ具は、そのための治具である。

今日はここまで。

by ikuohasegawa | 2018-11-21 04:15 | 製本&修理:ツール | Comments(4)

4-756)牛骨ヘラを購入しました

御嶽海 勝ち星日記
八日目の対戦相手は関脇 逸の城。

全く危なげなく寄り切って、御嶽海五勝三敗。
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過日の図書館総合展のフィルムルックス社ブースにて骨ヘラを求めました。
実は長年使っていた骨ヘラを、いつの間にかなくしていたのです。
時どきしか使わないので、方丈記を製本した時まで紛失に気が付きませんでした。

紙や布に折りスジをつけたり折ったり、細かい部分を折り込んだりするときに無いと不便な道具なのです。

骨ヘラの先は素材を傷つけるほど鋭利ではないし、手に持った時の質感がアクリル製とは違います。
サイズ以上の重みを感じ手に馴染みます。
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ちなみに手前に置いた20cmのアクリル定規は21g。骨ヘラは18ℊでした。
骨ヘラがサイズの割に重い───高密度(比重が大きい)───ことがわかります。

折りスジをつけたり折り目をくっきりさせるときや、細かい部分を折り込んだりするときに、あると便利な骨ヘラなのです。
厚めの紙は特に折りスジを付けて折らないと、こんな(左側)ことになることが多いです。
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右側のように折りスジをつけて折れば厚めの紙も綺麗に折ることができます。
しかも厚紙の場合の折りスジは細いスジではなく、ある程度幅のあるスジの方が綺麗に折れます。にその線付けにピッタリなのです。

展示会場価格は卸値ということで800円でした。
確か、前に買った時は1500円くらいしたと思います。和裁用ヘラには5000円もする水牛の角製もあるようですし、牛骨ヘラでも3000円するものもあります。

まさか3000円の骨ヘラは松阪牛の骨で、800円の骨ヘラは乳牛の骨などという差ではないと思いますが、一体どういう差なのでしょうかね。
そうだ、牛骨だからカルシウム強化牛乳だ。
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良い骨ヘラができる骨太牛。
待てよ、牛が飲んでいるわけではないか。

力を加える道具なので骨粗鬆症の牛の骨では困るが、私程度の利用者は卸値800円の物で十分です。
とはいえアクリルのヘラでは、しっくりきませんがね。



by ikuohasegawa | 2018-11-19 04:20 | 製本&修理:ツール | Comments(4)

4-643)コピーで写らないテープ

過日の製本の会でコピーしても写らないテープが話題になった。

3M社のメンディングテープがそれ。と。
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メンディングテープのコピーを試すことにした。
コピーしたときにセロハンテープの姿が写ることは経験しているが、二つ並べて確認したい。
ところが、比較しようにも我が家にはセロハンテープが無かった。

そっち方面はChiの裁量でセレクトされております。
なんせ製本修理にセロハンテープメンディングテープは使いませんので。
つまり製本修理に使う文房具は私のモノですが家庭内文房具はChiの管轄なのです。

ということで、手持ちの修理用和紙テープとメンディングテープを貼ってスキャンしてみました。

出会いの下に和紙テープが写って見えます。当然ですね。
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「メンディングテープはどこに貼ってあると思いますか」
と聞きたくなるほど写っておりません。

メンディングテープは賑わうの下に貼ってあります。


原紙をカメラで写しましたので確認ください。
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この写真のメンディングテープを写すのも、かなり苦労しました。
少しでもメンディングテープが目立つように、カメラの位置を変え傾きを変えて写しました。光を反射しないから写りづらい(コピーできない)のでしょうか。


ちなみに、
メンディングテープはアセテートフィルムに接着剤を塗った粘着テープ。
湿気や紫外線に強く、セロハンテープと比べて劣化しにくいため、長期的な使用が可能※1であることが特徴。
また、表面がつや消し加工されているのでコピーをとっても影が出にくい。
テープの上から鉛筆で文字を書き込むことが出来る。
メンディング(修繕)が意味するとおり、書類などの補修、補強などにも用いられる※2

※1※2:劣化しにくく長期的な使用が可能。といってもセロハンテープと比較した特徴であり、メンディング(修繕)といっても「書類など」の修繕である。

本の修繕に使えるなら、かなりのアドバンテージなのに表記していないということは、本の修理には適さないということ。と理解しておくのが宜しかろう。

メンディングテープはスキャン(コピー)しても写らないことをが確認ができました。







by ikuohasegawa | 2018-07-30 04:15 | 製本&修理:ツール | Comments(2)

4-640) キリで平綴じの穴をあける

平綴じをする修理の穴あけにはもっぱら電動ドリルを推奨してきた。

便利なことは間違いないが、学校図書修理ボランティアさんの実情を思い浮かべると電気ドリルを入手することはハードルになる。
実情に合わせ廉価な「キリ」による穴開けをお伝えしなくてはならない。
キリなら価格も4-500円なのでハードルは画面下がる。

それでは平綴じ機に挟んでキリで穴をあけてみましょう。
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まてよ、平綴じ機もハードルが高い。
ということで、もう一つハードルを下げてみました。

そもそも、平綴じ機を有効だというのは、歪んだ本があるからです。
歪んでいない本に穴をあけるに場合は、キリとキリ受け、本を固定する人か治具さえあれば良い。
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歪んだ本は歪みを正して穴をあけねばならない。その時、歪み癖のついたを本を正し、締め具で固定しておく必要がある。
そのための平綴じ機なのだが、今回は押さえ板で代用する。

用意したしたものは、比較的小さい穴を開けられる四つ目キリ、押さえ板(カッターマット100円)、キリ受けとして厚いカタログ誌、締め具。
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押さえ板は穴位置のゲージを兼ね、天地から各25㎜、残りを4等分して五か所に4㎜径の穴をあけておいた。


あいた穴はこんな感じです。
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電動ドリルはトルクが強く早く進むから、ドリルになれない方は手揉みのキリの方が垂直を維持しやすいと思う。
暑さで外へ出るのを控えているので、こっち方面をあれこれやっております。

















by ikuohasegawa | 2018-07-27 05:06 | 製本&修理:ツール | Comments(0)

4-639) 紙1枚だけをキリヌーク

「誕生日のプレゼントに何か欲しいものありますか?」・・・そうです。この夏71歳・・・と聞かれたが、特に欲しい物は浮かばない。
欲望が枯れ仙人化したのではなく、欲しいものは即座にポチッで翌日届いているから。

そういえば、最近は購入を逡巡するような高額商品を欲しいと思わなくなった。ということは、多少仙人側に寄っているかもしれないなあ。

で、頂く誕生日プレゼントの件は考えておくということにしたが、日は巡りついに当日を迎えてしまった。
やはり、特に欲しいものはない。

Chiは、涼し気な半袖シャツとキリヌークをプレゼントしてくれた。
過日の稿で「キリヌークは不急ではあるが役に立つかもしれない」と書いたのを覚えていてくれたのだ。
ありがとう。

時に新聞記事を切り抜くことはあるが、全ての面に目を通してからカッターナイフでザックリ切ればよいから「不急」なのです。

キリヌーク本体に内蔵されたバネにより刃の圧力を一定に保つので、力を加減しなくとも一枚切りができるという。
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本体から2㎜強出ている刃先は切る紙面に当てた時に引っ込み、バネの作用で紙一枚分出るのだ。
さらに紙の厚さに合わせてバネの強弱を調整するのが圧力調整スライダー(写真の黄色個所)の役割なのだ。


新聞を一枚だけ切りぬくのは普通の用途なので、ブッカーと修理用和紙テープの裏紙・・・役に立つかもしれない方・・・を切ってみた。

圧力調整スライダーをMINからMAXをへ少しづつ移動して試み、ほぼ真ん中あたりで裏紙のみが切れた。
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フィルムに刃は届いていない。素晴らしい。

次に和紙テープの裏紙を切ってみた。
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これまた、裏紙をカットしてテープはそのまま。素晴らしい。
このテープは裏紙をはがしづらいのです。


実用でどこまで威力を発揮するか、また、裏紙カットに使ってみようという人がいるかどうかは分らないが、異能のカッターナイフであることは確認できた。







by ikuohasegawa | 2018-07-26 04:41 | 製本&修理:ツール | Comments(4)

4-634)目打ち機作製 材料

御嶽海 勝ち星日記
大相撲名古屋場所13日目。

関脇御嶽海は、12日目大関高安との一戦で物言いの末、行司さし違いのきわどい相撲で敗れたが、翌13日目は大関豪栄道を送り出しで破り1敗を守った。
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14日目に栃煌山に勝てば初優勝が決まる。
3敗は豊山と朝乃山で、この2人が敗れても御嶽海の優勝が決まる。



さて、目打ち機の材料が集まってきました。

トグルクランプ(1227円 )。
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所持している製本用の目打ちは全長140㎜、軸径は8㎜。先端から20㎜あたりの針径は2㎜。これより少し小ぶりの物にしたい。
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アマゾンから届いたのはアルミ柄の目打ち(575円)。
全長100㎜、軸径は10㎜。先端から20㎜あたりの針径1.5㎜とやや小ぶりの細身。

この目打ちをトグルクランプに付けるドリルチャック(953円)。
届くまでに日数がかかっていると思ったら中国出荷でした。
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承知していたことだがドリルチャックの内径が13㎜でトグルクランプの外径が10㎜と適合しない。
それは革目打ち機氏の例に倣い、チャックにM10のナットを接着することで解消させる。
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金属用セメダイン メタルロックもアマゾン(819円)。
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なにしろ【平鋼・角パイプ鋼・アングル鋼・Cチャンの接着、金属部品の接着、補修】というのだからスゴイ。


本の下で目打ちを受けるカッターマットはダイソーで購入。
厚い方(3㎜)にしたので1枚200円。突き刺さることを考慮して2枚買う。
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木材は、基本設計を固め寸法を確定せねばならぬので、もう少し先になる。










by ikuohasegawa | 2018-07-21 04:15 | 製本&修理:ツール | Comments(5)

4-623) 目打ち機 進捗状況

御嶽海勝ち星日記・七月場所二日目。

この日の対戦相手は、前頭二枚目 勢。
勢関といえば、先週のニッポンハムレディス4位の比嘉真美子選手と婚約。と、めでたい話が聞こえているが手加減しない。

出し投げで破り2勝目。
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本題は目打ち機のその後。

トグルクランプを機能させた時にかかるベクトルを考えると、当初描いたポンチ絵では支柱と台の接合部分が弱い。

いくら、部材の切り欠きは一切無し、直線カット・・・HCでやってくれるのは直線カットのみ・・・で仕上げようというのが基本方針とはいえ再考する必要がある。
ということで、数枚描いてこうなりました。
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変更箇所は台下に足を接ぎ、支柱の接着面を増やす。

と書いているうちに修正案が頭をよぎる。
横の2枚は過剰装備。
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革ポンチ機の台幅が狭いのは、支柱板をボルトナットで確実に固定するためであることに気づいたので、木ネジよりボルトナットを採用する。
台下に足を付けたのもボルトを貫通させるためだ。
トグルクランプの取り付けもボルトナットにする。

試行錯誤は避けたいので、まだまだ思考錯誤は続く。









by ikuohasegawa | 2018-07-10 04:15 | 製本&修理:ツール | Comments(0)

4-621) 目打ち機を作ろう

束のある和綴じ本に穴をあける方法を探し続けること幾星霜。
ついに見つけました。

「菱目打ち機を自作する!~製作費3000円で静かにレザークラフトを楽しむ
長年探していたのはこれだ。
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確かにレザークラフトは縫い穴を幾つも開けるから、トントン、トントン打つことになる。
それをトントンしないで静かに押し下げて穴をあける。

トグルクランプというらしいが、よくぞこれにたどり着いた。偉い。
トグルとは、ある同一の操作をすることで2つの機能を切り替えられるスイッチ機構。クランプは締め具。と。

レバーを下げると軸が30㎜降下する。
梃子の原理でかなり強い力を発揮しているようなので、和綴じ本の束を貫くこともできるだろう。

HCで現物を見たら間違いなく飛びついていたと思うが、大型のHCでもお目にかかったことがない。
よくぞトグルクランプにたどり着いた。偉い。

ということで、Amazonでトグルクランプをポチっとしておいて、ポンチ絵を描いた。
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革用から変えたのは支柱。
斜めの支柱を垂直にして面を大きくし、対象物(和綴じ本)の平行移動を容易にする。
また、台も本が載るくらい広くして安定させる。
目打ち先の受けとしては硬質ゴム板のほかカッターマットを候補に挙げた。

とはいうものの、革はポンチで3~4㎜だけど、和綴じ本は目打ちで10㎜だからどうなるか分からないが、やってみる。











by ikuohasegawa | 2018-07-08 04:25 | 製本&修理:ツール | Comments(2)

4-619) 製本、修理で本に穴をあける

本の修理の平綴じは見えない部分に納まるので、綴じ穴の径は気にならない。
和装本の綴じ穴は表紙に出るので、電動ドリルではなく目打ちを使う。
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削り取ってしまうドリルとは異なり目打ちは押しやって穴をあけるので、時間が経つと戻って穴は目立たなくなる。
そのため、製本の会の手作り作品は目打ちを敲いて打って穴をあけている。

その時、目打ちを垂直に維持する治具も作った。
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治具として出来は良いのだが、打つ時に音が出ることと、束(ツカ・厚み)が10㎜近くなると難儀することは課題として残っている。

調べてみると高知製本の和綴じ講座のように、割り切ってキリで穴をあけているところもある。
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勿論、キリは「四方錐」だろう。一番細いですから。
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修理の平綴じ用穴あけにもキリは使えるかもしれない。

学校図書館の備品としては電動ドリルよりキリの方が揃えやすい。
また、トルクが強く早く進む電動ドリルより、手揉みのキリの方が垂直を維持しやすいような気がする。

ただし回転トルクがかかるので紙がよじれる恐れがあるから、当て板をしたままキリを揉む必要がある。
当て板としては、位置穴をあけたカッターマットが宜しかろう。
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※画像の〇は大きく書いてあるが、あける穴はキリ径より少し大きいサイズ

ズレないように圧着してキリを揉むと上手くいくような気がしています。

一方、目打ちは、依然として「打つ時に音が出る、束が10㎜近くなると難儀する」が課題として残っている。



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by ikuohasegawa | 2018-07-06 04:15 | 製本&修理:ツール | Comments(2)