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4-813)ひたすら切る折る綴じる  豆本量産-1

【御嶽海勝ち星日記】大相撲初場所初日
御嶽海は結びの一番で横綱稀勢の里と対戦。押し出して御嶽海の勝ち。
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稀勢の里は引退をかけた場所であることを知っているので、嬉しさも中くらい也。


さて、量産意欲が湧いた「豆本」
手持ちのOA和紙・墨染に本文を印刷したら9冊分用意できました。

このあとは、ひたすら切る、ひたすら折る、ひたすら綴じることになる。

「ひたすら切る」は、1冊分10枚の1辺を糊で固定しカットする方式を採用したので、ひたすらから除外。
10枚一度ですからカット回数は十分の一になりました。
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次は、外表で半折りします。
これはまとめて一度に折る訳にはいきませんから1枚ずつ「ひたすら折る」ことになります。
紙折り台もあるが、此度は用紙が小さいのでマットに固定した曲尺にて代用。

用紙を曲尺に突き当てます。
※写真は手前から奥に折っていますが、マットを90度回転させ横方向への折りでも構いません。
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用紙をめくり曲尺に突き合わせ、輪部分を押さえて折りすじを付けます。
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折り終えたら一冊分ずつ帯をかけ、表紙側天方向が分かるように印をします。
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折り山を濡らしたティッシュで湿らせ、プレスしておきました。

今回はここまで。

by ikuohasegawa | 2019-01-14 04:15 | 製本&修理:スキル | Comments(2)

4-798) 来年に持ち越します

いよいよ、今年も今日一日となりました。

白く糖をまとった干し柿を目指している。
薄っすらと白く糖が見えます。気のせいではありません。Chiもそう言っていますから。

こんなものでは満足できません。
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あんぽ柿からとはいえ、12月18日のスタートは遅かったようです。
このまま年を越します。
正月、Chiにプレゼントできぬのが心残りです。

このまま年越しの2。
本年最終の修理日に手掛けた「カラスの補習授業」の背割れ修理も仕上げることができず、年明けに持ち越しました。
心残りです。

考えてみれば、この程度のことが心残りということは、平穏安寧な日々・・・能天気な私であることよ。

それでは皆さん、良いお年をお迎えください。



by ikuohasegawa | 2018-12-31 04:18 | 製本&修理:スキル | Comments(7)

4-794) 和綴じ豆本を試作する-1

友人への手土産代わりにした和綴じ豆本は好評でした。
話は前後しますが試作過程の覚えを記しておきます。

寸法に切り出した本文用紙を外オモテに折ります。
束にして縦に帯をかけます。
折山を濡れティッシュで湿らせプレスしておきました。
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寸法は約90㎜×70㎜、厚さ6㎜。


以下は【エクセルを使用した原稿作成 覚え】ですから、読んだことにしていただいて結構です。

エクセルA4画面に同寸法8ぺージの面付けを10面作る。
各ページごとに、挿入⇒テキストボックス⇒縦書きを選択し、ボックス内に文字をコピペ入力。
ボックス面上で右クリック⇒図形の書式選択⇒線の色⇒線無しを選択。

ということですが、厄介なのはテキストボックスに入力した文字の配置と、それを印刷したものの文字配置が異なること。

画像上がエクセルの入力画面。
印刷前のページビューでも文字配置はこのままで、テキストボックスの枠だけが消えて表示される。
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それを印刷(画像下半分)すると行末の1字2字が改行されている。

あれこれやってみて得た結論。
文字の入力を終えたときPDFで保存する。方法は、名前を付けて保存⇒PDFで保存を選択。
PDFは印刷物の画像原紙なので、画面には印刷仕上がり状態を表示しますから、試し刷りをしなくて済む。

ここに至るまで試し刷りをすること3回=10枚×3。
仕上げて友人への手土産代わりにしたから、無駄にはしませんでしたが。

また、PDF画面でチェックをして不備を見つけた場合は、エクセルの原稿画面を開き修正。
再び名前を付けて保存⇒PDFで保存を選択すると「同じ名前のファイルが存在します。上書きしますか」と聞いてくる。「はい」

そうそう、PDF原稿ならエクセルの無い人でも開くことができる。今どきそんな人はいないか。


by ikuohasegawa | 2018-12-27 04:15 | 製本&修理:スキル | Comments(2)

4-786) 和綴じの豆本を作る

和綴じで作る和綴じ豆本の原稿は、ご協力もあって71稿になりました。
※提案頂いた稿の幾つかを当初稿 のmoreに追加いたしております。
その他に扉、奥付、題箋を加え、A4-10枚に配置しました。
それを印刷してカットします。

今回使用したOA和紙薄墨は薄手なので10枚重ねて一度にカットしてみた。
26日までに3冊を仕上げる都合もあるし。

たった10枚だから・・・という方は1枚ずつカットされれば宜しい。
1枚ずつ10枚・・・という方のために試してみました。

以下は【覚え】ですから、読んだことにして下さって結構です。
用紙を揃え短辺側2か所をクリップで仮固定し、反対側の短辺の全葉をめくり起こして順に貼る。
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糊代は断裁トンボライン(緑線)の外側(赤エリア)、糊はスティック糊で。


クリップを外し、断裁トンボに合わせてカットします。勿論、ボール紙カット定規を使います。

言うまでもないことですが、1動作でカットしようとしないこと。
3-4回で切るつもりで、力を入れずカッターナイフを引きます。力を入れて押さえるのは定規です。
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カットするとき余白は切り落とさない。「ここは試験に出ます」
後で使う目印のトンボを切り落としてしまいますから。

私は、1)長辺、2)センターライン、3)長辺、と切れ目を入れ、
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写真は横位置ですがカッターを使うときは縦置きにして、カッターナイフを奥から手前に引きます。


マットごと向きを変えて、短辺、センターライン、最後に接着した短辺と切りました。

巧く切れました。
薄手の用紙10枚だったことと、ステック糊での固定がミソでした。

切り落としていませんから、余白は長方形で残ります。
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扉、奥付は本文の一部。題箋は寸法にカットして表紙に使います。

【覚え】から戻ります。
本作は「豆読本」のような内容ですからノンブルは付けておりません。
扉、奥付以外は順不同ですが編者としては
扉をめくると 漢和辞典【豆】
次ページに国語辞典【まめ】を配して頂きたい。その他はご自由にどうぞ。


by ikuohasegawa | 2018-12-19 04:15 | 製本&修理:スキル | Comments(4)

4-768) 画用紙26枚を一冊にします ②

並四小の先生26人が書いたお薦め本紹介シート(B4画用紙)。

読書月間の展示を終えたので、外オモテに貼り合わせ一冊にまとめることになりました。

寒冷紗テープを挟んで足をつけていきます。
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陽当たりの良い窓辺で作業を続けていると眠気を誘われます。
ポカポカ暖かく日向ぼっこしているようなものだもの。


26ぺージの本文を平綴じしました。
綴じたのは接いだ足の部分です。
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本文と足の間に空きを1㎝とったので、寒冷紗がヒンジの役を果たしノド元まで開くことができます。
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絵本の表紙をコピーして貼った先生。児童がやっても認めますか。
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しっかり手書きした先生。
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途中ですが本日はここまでといたします。
次回はこれに表紙を付けます。


by ikuohasegawa | 2018-12-01 04:15 | 製本&修理:スキル | Comments(4)

4-765) B4画用紙26枚を一冊にします

1年2組がやってきて読書の時間。
まずは司書さんの読み聞かせ。
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このクラスはいつも静かな落ち着いたクラスなのだけど、この日もサッと集まり熱心に聞いている。

この先生は決して大きな声を出さない。
多少ざわついていても先生が小声で語り始めると、聞こうとして静まる。
「静かにしましょう」とか「静かにしなさい」ましてや「騒がない」などは聞いたことがないクラスです。




さて、並四小読書月間のイベントの一つで、先生がお薦めの本を紹介シートに記入し図書室に掲示していました。
紹介シートのそばに置かれた現物の本は、いつも誰かが借り出していました。読書のきっかけになっていたようで何よりです。

校長先生のお薦めは、新見南吉著 てぶくろをかいに。
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展示の終わった全先生のシート26枚を1冊にまとめたいと司書さんが言う。

B4縦の画用紙26枚をこのまま平綴じしたら開きが悪くなってしまうので、足を付けましょう。
具体的には
紹介シートを2枚ずつ外オモテで組み合わせる。
ノド側に寒冷紗の帯をはさんで画用紙の足を継ぐ。
本文と足の間は10㎜あけてヒンジ(ちょうつがい)の役割をさせる。
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継いだ足の部分で綴じて表紙を付ければ完成です。

この日は足を切り出したところで
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「途中ですが本日は、ここまでといたします」


by ikuohasegawa | 2018-11-28 04:17 | 製本&修理:スキル | Comments(3)

4-757) 綴じ糸の切れた一丁中綴じの絵本

念のため申し上げますが、この稿は本の修理初心者向け副教材のようなものです。
一般の方は、全く面白くありません。

並四小の本の救急箱に入っていたのが 絵本・ぐりとぐらシリーズの一冊。

この絵本は普通よく見る見返し後付けではなく、本文と見返しを丁合してそのまま綴じ、表紙ウラに見返しを貼ることで表紙と合体している。いわゆる一丁中綴じ絵本。

そのため、綴じ糸が切れ本文が離脱しても見返しは表紙ウラに残っている(下一枚目の写真)から本文だけを綴じなおすと表紙との一体化が厄介になる。そこで見返しと本文を共に綴じることになります。

綴じるときは紙の裏側へ針を出さねば綴じられない。
貼ってある見返しの裏側へ針を通すために、見返しの中心部分だけを切り取ります。二枚目の写真は右側を外したところ。
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深めにカッターナイフを入れ芯ボール紙の表層ごと剥がします。貼り戻しますからボール紙が少し厚めに取れても問題ありません。むしろその方が綺麗に剥がせます。
この絵本は見返しのデザインのラインに合わせてカットし、極力、傷が目立たないようにしました。
同様にして左側も剥がします。


取り出した見返しに寒冷紗を貼って補強(左)。それを伏せた本文に重ねます。
位置をずらさないようにするために、事前に本文の折山に点々とボンドを付けて仮留めしました。
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次に、元のミシン綴じ穴の幾つかを目打ちで突き、新綴じ穴にします。

余談:中綴じをした本文は閉じた時、小口を揃えて断裁してあるので開いて平らに開くと用紙サイズは異なります(下左図)。
開いた本文の左右で用紙を合わせると中心線(折線・針穴)はズレるので注意が必要です。
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そのために中心線を合わせて維持する専用台(下右図)を用意しております。
台が無いときは充分注意して穴位置を重ね、穴に目打ちを刺し抜かないで固定し、別の目打ちで穴をあけると穴はズレません。

修理に戻ります。
見返しと本文を糸で綴じ(左)、カットラインを合わせ表紙に貼り戻します(右)。
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貼り合わせた痕はほとんど目立ちません。

絵本を閉じて背側をプレスしたまま乾燥させます。
これにて一丁中綴じ製本の糸切れ修理終了です。


本文中央を開くと7か所の穴に糸が渡っています。
(糸が見え難いので赤い線を入れてあります)
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by ikuohasegawa | 2018-11-20 04:20 | 製本&修理:スキル | Comments(2)

4-736) 背がパックリ割れた池波正太郎全書

池波正太郎全書の中でも束(つか)のある1冊を修理。
他は破損していませんが中ほどで割れています。
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修理方法は本文の背に切れ込みを入れ、タコ糸を渡して割れをつなぐことになります。そのためには本文の背を出さないと修理できません。

まず、かろうじてくっついている個所を切り離しました。
次いで、少し弛めだった表紙側の見返しをめくり外し寒冷紗を切って本文を外しました。
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もう一方の見返しと表紙は温存したままで修理をします。
こうすれば健常な一方を壊さなくて済みますし、修理箇所を少なくできます。


写真(下)は背を上にして固定した状態です。
左側に付いていた表紙と背を右(ウラ表紙)側にめくり起こしてあります。右側には手を付けていません。
表紙と本体をつないでいた左側の寒冷紗は切っていますから、戻すときに新たな寒冷紗を足します。
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この本の場合は丸背全幅ではなく、割れの左右各10mm程度に切れ込みを入れたい。
そのため半円形の台を置き固定し丸背を維持してあります。台にしたのは半分に切った紙筒(前にどなたかが何かのサヤにしていた芯)です。

ノコギリで背に切れ込みを入れます。
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写真を写し損ねましたが、この切り込みにボンドを入れタコ糸を埋め込みました。
表紙側の寒冷紗を切っているので、新たな寒冷紗を足し表紙を戻して貼りこみました。

しばらく置いて当該箇所をそっと──開かない方が良いのですが──開いてみた。
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ノド際にはタコ糸を入れた箇所が見えています。
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終了。



by ikuohasegawa | 2018-10-30 04:15 | 製本&修理:スキル | Comments(2)

4-707) 文庫版の折丁を作る

本日は手作り製本のスキル稿ですから、一部の方以外は「読んだ」否、「開いた」だけになるでしょう。


製本の会の目下の課題は、上製本で作る文庫版サイズの方丈記。
4-975)で綴じ方を話題にしましたが、その前の段階でA4書籍用紙両面に8ページを印刷しております。

印刷し終わったA4用紙を半分(A5)に切り二つ折りするとA6版(ほぼ文庫版)になる。

折台を使って正しく折り、一折4枚16ぺージの丁合をとり一冊分に帯をかける。
丁合:製本のさい、中身をページ順に揃え1冊の本にまとめる作業。本、カレンダー、伝票等の冊子がページ順に紙葉が揃うように、紙葉・折丁を順序正しく重ねる。
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プレスにかけて乾燥させます。
このとき水を含ませたティッシュペーパーで、折山側に軽く湿気を与えると折り目がきちんと付きます。
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しばらくプレスし、膨らみ気味だった折山側がおさまったら目引きをします。
※目引き:「手綴じ」の針を通す穴を空けること。丁合いの背に鋸(のこぎり)で目引きします。

二つ折りした全てを1枚ずつ揃えて目引き(下図A)をする。という説と、
一丁(4枚)に重ねて目引き(下図B)をするという説があります。

A説の言い分は、Aは均一の穴があけられる。Bは4枚を重ねている最も内側の4枚目まで切ると外側の穴が大きく(B-2)なりすぎ見苦しいというもの。
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その通りだと思ってAで目引きしたこともあるが、最近はBに戻しました。
戻した理由
① 1枚ずつでキッチリ折っているから、Aで目引きした4枚を一丁に揃えるのが難しい
② 穴が大きくなる外側は、製本すると背の奥に入ってしまい(図のC・C2)見えない部分になる。



by ikuohasegawa | 2018-10-01 04:15 | 製本&修理:スキル | Comments(2)

4-705)折丁を別方式で綴じる

手作り製本の会例会。
難解な印刷も無事クリアーして糸綴じを終えた本文のほかに、早くも製本を終えた「方丈記・文庫版」が幾冊か登場しました。
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私はというと、まだ本文の印刷を終えた段階で、これから糸綴じにかかります。

手作り製本の折丁の綴じは、一本針かがり、本かがり、パピヨン、一本パピヨン、リンクステッチ・・・いろいろな綴じ方がある。
我が磯子手作り製本の会は伝統的に「一本針かがり」で綴じております。
針が1本ですから糸も───長い糸は扱いづらいから短くして繋ぐことはありますが─── 1本です。

今般、方丈記を仕上げるにあたって、私は新しい方法で綴じてみる。
それは、ずいぶん以前に手帳に描いていた綴じ方。
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経緯は忘れているし出所も名称もわからない──私が考えついたのでは無いと思う──が、覚えやすいと感じて記録していたのだと思う。

事実、絵本の修理で綴じを覚えてもらうときも、皆さん一回でマスターしています。
教える方も教え易いので気に入っております。

テキスト化する必要も無いくらい簡単ですが、手順を書き起こしてみます。

最初の一折は中綴じして糸を切って結ぶ。
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端の穴からスタートしなければ横糸をまたいで結ぶことができます。

これより先は二本目の糸ということになる。とすると名は【二本糸綴じ】かな。

中綴じのノド際(外)に新糸の端を結ぶ。
重ねた二折目の端の穴から内側を通って隣の穴から出す。
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真下の一折目の出入りしている糸をまたぎ、上の折丁の出てきた穴に戻し内側を先へ進む。
こうして端までいったら三折目を重ねる。

三折目も外から入り内側を通って次の穴から外に出す。
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下の折丁の縦糸をくぐって、上の折丁の出てきた穴に戻す。
再び内を通って次の穴から外に出す。
端まで行ったら新しい折丁をかさねて同様に綴じていく。

綴じ終わったら糸の端を縦糸に数回巻いて結び、ボンドで固めておく。
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教え易く覚えやすい、仕掛けや準備がいらない【二本糸綴じ】の確認でした。



by ikuohasegawa | 2018-09-29 04:15 | 製本&修理:スキル | Comments(2)